霊に遭って怖くなかったら安全な霊である可能性が高い

この世にそんな風習じみたことと思うだろうが原因不明の病はこのお祓いで清められることも実際にあるらしい。
深夜のお寺に行くのであればくれぐれも奥のお堂には訪れないように去年の今頃の話だがその頃俺は昔の SF 小説にはまっていた。
ノリが良くて勧善懲悪なところがなんかスカッとして面白くて復刻版の文庫を買ってきては読んでいた。
アルバム本を読みながら眠ってしまった。
俺はふと気配を感じて目を覚ました部屋の隅に人がいた。
3時過ぎくらいの女で夏なのにセーターと長くて分厚いスカート。
壁にもたれて座り本を読んでいる。
ものすごく驚いたが寝ぼけているせいか不思議と怖くなかった。
おばさんだがよく見ると前に見た雨りって映画の主人公に見てて結構見られる。
なんとなくぼーっと見ていると女がこっちを向いて笑った。
こういうの好きならまるまるに聞いてごらんまだあるからそう言って持っていた方もこちらに見せた。
寝る前に読んでいたスペースオペラだった。
そこで目が覚めた。とはいえ、キトー君 戻るはかなり重要な口コミの内容になっていて、朝になってた変な夢だなぁと思ったが部屋の隅を見てびっくりした俺の SF 本が数冊で重ねて置いてあった。
そして一番上に寝る直前まで読んでいた本がきちんと置いてあった。
マジかよとしばらく頭を抱えていたがふと気になった女が言ってたまるまるって誰だ俺の周りでもあるまるって名前は父親だけだ。
他に思い当たる相手もいないし早速仕事から帰ってきたら聞いてみた。
一応昨夜の文庫本と姉からアメリの DVD も借りておいた。
最小父ちゃんはお前大丈夫かという顔をしていたが本と DVD を見たとたんに態度が変わった。
めいちゃん家そういやもうじき本だったな今度の休み墓参りに行くぞお前も来いよそのお姉ちゃんは正確には父の従兄弟だったそうだ。
父より十歳近く年上でよく面倒を見てもらったらしい。
何か変わった人で本当香水と古い香水瓶が大好きで35で死ぬまで独身だったそうだ。
母が宝物にして飾ってある瓶のコレクションがその人の形見だったとか絶版品で貴重品とかって言ってて昔姉が勝手に触って怒られていた何で俺のところに出てきたんだろうと聞くと父は嬉しかったんだろうねえちゃんこういう話好きだったからなそれからは休みになって父の実家に行くと父の言葉通りに物置からどっさり本が出てきた。
その中に昔の早川 SF 文庫の初版も山ほど混ざっていた。
俺の読んでた本もそこにあった。
時々この人が生きててくれたら今頃どんな本を読んでいたのかと考える。

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